分析形而上学の教科書
2025-01-02 投稿
分析形而上学 (analytic metaphysics) の教科書的な本をまとめておく。参考までに、「やさしい」「そこそこ」「むずかしい」の順で難易度を分けてある。
やさしい
哲学がわかる 形而上学(原著2012年、翻訳2017年)
- スティーヴン・マンフォード(著)、秋葉剛史・北村直彰(訳)
- 出版社ページ
- 短いのでさっと読める。
- 扱っている主題も網羅的。
- まずはこれで、分析形而上学なる分野でどんなことが議論されているのかの雰囲気をつかむのがよいのではないか。
日常世界を哲学する 存在論からのアプローチ(2019年)
- 倉田剛(著)
- 出版社ページ
- 新書。
- 短いのでさっと読める。
- 社会存在論 (social ontology) という分野の入門書だが、現代形而上学的な議論の仕方を勉強するのにも適している。
そこそこ
現代形而上学 分析哲学が問う,人・因果・存在の謎(2014年)
- 鈴木生郎・秋葉剛史・谷川卓・倉田剛(著)
- 出版社ページ
- 網羅的。
- 通して読むというよりは、興味あるところをぱらぱら眺めるので十分だと思う。
現代形而上学入門(2017年)
- 柏端達也(著)
- 出版社ページ
- タイトルに「入門」とあるが、「入門」と言うにはややむずかしい。
- 第一章で、クワイン的な存在論的コミットメントの話が詳しく導入される。これは分析形而上学の基本中の基本なのでおさえておくのがよい。
デイヴィッド・ルイスの哲学 なぜ世界は複数存在するのか(2020年)
- 野上志学(著)
- 出版社ページ
- ルイス哲学の入門書。
- ルイスを無視して分析形而上学をやるのは不可能であり、ルイスが何を言っていたのかは頭に入れておいた方がいい。
言語哲学大全III(2023年)
- 飯田隆(著)
- 出版社ページ
- 様相 (modality) と可能世界意味論 (possible world semantics) は分析形而上学の基本装備なので、これで概要を掴んでおくのがよい。
むずかしい
真理から存在へ(2014年)
- 秋葉剛史(著)
- 出版社ページ
- 長い。
- 教科書ではない。が、真にするもの (truthmaker) について、2014年までで形而上学者たちが議論してきたことは全て書いてあるので、その意味では教科書のように読んでもいいと思われる。
Metaphysics: An Introduction(2023年)
- Alyssa Ney(著)
- 出版社ページ
- 内容はそれほど難しくはないが、日本語では読めないということで「むずかしい」にした。
- 良い教科書。網羅的で、最近のトピック(groundingやsocial ontology)にも触れている。
- 巻末に用語集もついている。手元に置いておいて、辞書代わりに使うこともできる。